エッセイ

流動と旋回――花田清輝『復興期の精神』

1946年に我観社より刊行された。我観社は同年発足した真善美社の前身であり、真善美社はこの本の出版によって始まった。第二版はすでに真善美社刊となっている。収録されたエッセイのほとんどは戦前、戦中に『文化組織』に発表された。 『文化組織』では…

庭という世界劇場――林達夫『作庭記』

初出は未詳であり、岩波書店が1939年7月に刊行した『思想の運命』に収録された。第二次世界大戦が始まった頃、あるいはどちらにせよ、参戦にどんどん傾いているなかで書かれたものであるのは確かで、 身についた「外国感覚」(サンス・ド・トランジェとルビ…